保険営業マンが知っておきたい!別会社を設立するメリットとデメリット

保険営業マンが知っておきたい!別会社を設立するメリットとデメリット

今回は保険営業マンが知っておきたい別会社設立のメリットとデメリットを解説します。弊社を含めて、別会社を持っている中小企業が数多くあります。中小企業が別会社を作る理由は様々ですが、とりわけ別会社を作ることは「節税面」で大きなメリットをもたらします。あなたも耳にしたことがあるでしょう。

では、別会社の設立にはどんなメリットがあって、どんなデメリットがあるのか?
これらは法人保険を販売するうえで、知っておきたい前提知識です。これから別会社設立のメリットとデメリットを詳しく解説しますので、保険営業マンはぜひ覚えておいてください。





分社化の3大メリット

弊社では「経営コンサルティング事業」「営業支援事業」「コンテンツ商品の企画開発及び販売事業」「WEBサービス事業」「講演・研修事業」「不動産サービス事業」など複数の事業をやっています。これらの事業を1社でやってもいいのですが、2社に分けてやっています。では、なぜそうしているのか。分社化することで次の3つのメリットを享受できるからです。以下それぞれに解説を加えていきます。

  • 法人税を節税できる
  • 消費税を節税できる
  • 優遇制度の「枠」が2倍になる

メリット01.法人税を節税できる

まず法人税の節税です。法人税率は資本金1億円以下の法人では法人所得金額800万円以下の部分については低い税率が適用されています。つまり、所得金額が低いほど低い税率が適用されるわけです。これにより分社化して会社の利益を分散させることで、軽減会社のキャッシュを最大化する税率の恩恵を受けることができます。極端な話、課税所得1,000万円の会社を2社に分社化しても約29万円の節税が図れます。

中小企業の法人税実効税率(軽減税率適用)
課税所得 税率
400万円以下 21.42%
400万円超800万円以下 23.30%
800万円超 33.80%
分社化前と分社化後の税額比較
会社 分社化前 分社化後
課税所得 税額 課税所得 税額
A社 1,000万円 246.48万円 500万円 108.98万円
B社 ―― ―― 500万円 108.98万円
246.48万円 217.96万円

メリット02.消費税を節税できる

分社化し2つの事業の売上を新会社に移転することで消費税の節税が図れます。新設会社では資本金1千万円以下なら2年間は消費税非課税の恩典が受けられますので、2つの事業の売上全額が当面(2年間)は非課税になるわけです。設立2年経過後も前々年の売上が1千万円以下であれば非課税事業者となります。消費税増税が間近に迫る今、これはかなりの節税メリットでしょう。

例えば、消費税増税後に課税売上3,000万円の会社を分社化するケースです。分社化した新会社の課税売上が1,000万円以下なら、次のとおり、別会社の売上分は“免税”になるわけです。しかも、永続的に、です。その結果、分社化すると約50万円の消費税の軽減につながるわけです。

簡易課税方式・課税売上3,000万円・第5業種(保険代理店など)
内訳 1社 2社
課税売上 3,000万円 2,000万円 1,000万円
みなし仕入れ率 50% 50% 免税
消費税 150万円 100万円 0万円
150万円 100万円(100万円+0万円)

メリット03.優遇制度の「枠」が2倍になる

分社化すると優遇制度の「枠」が2倍になります。例えば、法人が2社あれば「経営セーフティ共済」にも2社分加入できます。役員退職金も2社からもらえます。少額減価償却資産の特例(30万円一括償却)も2社分使えますので、2社で共同購入すれば 1組30万円を超える減価償却資産も一括償却できます。交際費の非課税枠(800万円)も2社分です。他にも分社化して2社の決算月をずらせば利益調整も図れます。

分社化のデメリットと注意点

まず「株式会社」にせよ、「合同会社」にせよ、法人設立には費用がかかるということです。今どきはみんな電子認証で法人設立しますので、ここでは紙の定款の場合はスルーします。司法書士などの専門家に法人設立手続きを依頼すれば、登記費用の他に 5 万円程度の報酬がかかります。ただし、これは法人設立時だけのイニシャルコストになります。次の2つは毎年かかってくるランニングコストです。

  • 最低でも法人住民税 7 万円(均等割)がかかる
  • 別会社の税理士報酬が発生する
分社化のイニシャルコストとランニングコスト
イニシャルコスト(設立時) ランニングコスト(毎期)
株式会社 合同会社 株式会社 / 合同会社
設立費用20万円 設立費用6万円 法人住民税7万円
司法書士報酬5万円~ 司法書士報酬5万円~ 税理士報酬15万円~
計25万円 計11万円 計22万円

このように分社化には法人設立コスト(登記費用)と維持コスト(法人住民税均等割り+税理士報酬)がかかりますので、これが分社化のデメリットといえます。

分社化後の2社間取引きは税務調査で重点的にチェックされるポイントです。その際、取引金額を都合よく設定したり、架空の売上を計上したりして利益調整すると、後から手ひどいペナルティを課されることもあります。そうならないために別会社では「実態」の伴った会社運営が必要です。

まとめ

率直にいって、オーナー企業であれば、分社化はいかようにもやり方があります。商品別に分社化する。売上先で分社化する。事業内容を分社化する。支店を分社化する。新規事業を立ち上げて分社化する。業務委託法人を作って分社化する…などです。メリットはこれまで解説したとおりです。

とりわけ、「消費税」の節税効果は抜群です。通常、「消費税」は節税が難しい税金です。消費税は「利益」でなはなく、「売上」にかかる税金だからです。それゆえ、通常の節税対策と同じロジックでは税額を軽減できません。しかし、分社化して売り上げ分散を図れば消費税額を大きく軽減できるのです。

これは未来予測です。2019年10月に向けて分社化する会社は増えるでしょう。その理由は消費税が10%に上がるからです。言うまでもなく、新設法人ができれば、保険営業マンにとって絶好のビジネスチャンスにつながりますよね。そのときに備えて、分社化のメリットとデメリットについて覚えておきましょう。