法人保険営業の基礎知識①~今さら聞けない!「費用」と「損金」の違い

法人保険営業の基礎知識①~今さら聞けない!「費用」と「損金」の違い

ご存知のとおり、法人保険営業では「損金」という言葉が頻出します。では、この「損金」という言葉は「費用」とどう違うのか。今回は【法人保険営業の基礎知識】として保険営業マンが今さら聞けない「費用」と「損金」の違いについて簡単に解説しましょう。





「費用」と「損金」の違い

「費用」は会計上の用語で、企業活動で発生した経済価値の減少をいいます。一方、「損金」は税務上の用語で、法人税を計算するためのものです。それを踏まえたうえで次の点を覚えておきましょう。

区分用語意味反意
会計費用企業活動で発生した経済的価値の減少収益
税務損金法人税を計算するためのもの益金

会計上の利益計算は「収益-費用=利益」となります。一方、税務上では「収益」に相当するものは「益金」、「費用」に相当するものは「損金」、「利益」に相当するものは「所得」と呼びます。

会計上の利益計算税務上の所得計算
収益 - 費用 = 利益益金 - 損金 = 所得

税務上でも会計上の「収益」や「費用」はそのまま「益金」や「損金」になる場合が多いのですが、必ずしもすべてが一致する訳ではありません。「損金」は「費用」と比べて対象範囲が狭くなります。

例えば、会計上では交際費・減価償却費・役員賞与などは「費用」となります。しかし、税務上では交際費・減価償却費・役員賞与などは「損金」と認められない場合があるわけです。これは会計上では“経済活動の実態”を重視するのに対し、税務上では“課税の公平性”が重視するからです。

経費」という言葉もある

「費用」と似た言葉で「経費」という言葉もあります。一般的には「経費」は「費用」とイコールの意味で使われています。ただし、所属税の計算では「損金」という概念がないため、代わりに「経費」「必要経費」という言葉が使われており、そういう意味では文脈によって意図する範囲が変わる便利な言葉です。

まとめ

以上が保険営業マンなら知っておくべき「費用」と「損金」の違いです。「費用=損金」と認識している保険営業マンもいますが、必ずしもそうではありません。提案先の社長に「費用」と「損金」は何がどう違うのかと質問されたとき、「???」とならないよう、「費用」は会計用語。「損金」は税務用語。「損金」は「費用」と比べて対象範囲が狭くなる。「経費」は「費用」という意味でも、「損金」という意味でも使われることがある。これらの言葉の定義は覚えておきましょう。