保険営業マンなら知っておきたい!法人保険における契約者貸付制度の活用法

保険営業マンなら知っておきたい!法人保険における契約者貸付制度の活用法

ご存知のとおり、法人保険の契約を現金化する方法は大きく2です。ひとつは「解約」して現金化する方法、もうひとつは「契約者貸付制度」を利用して現金化する方法です。今回はこのうち保険営業マンが知っておくべき【法人保険における契約者貸付制度の活用法】をテーマにします。





契約者貸付制度4つのメリット

釈迦に説法でしょうが、まずは法人保険における「契約者貸付制度」のメリットを整理しておきましょう。法人保険における契約者貸付制度のメリットは大きく4つあります。

  1.  保険契約を解約せずに済む
  2.  1週間程度で資金調達できる
  3.  借入金の返済条件がない
  4.  利益計上なしに資金調達できる

保険契約を解約せずに済む

何と言っても、保険契約を解約せずに済むという点です。契約者貸付制度を使えば、解約せずとも解約返戻金の90%程度までの範囲内で資金調達が可能だからです。仮に、解約して同種の保険商品に再加入となれば返戻率はゼロからスタートになります。しかし、契約者貸付制度なら手続き時の返戻率のまま契約を元に戻すことができます。

1週間程度で資金調達できる

金融機関に融資を申し込むと、たいていは審査に1ヶ月~1ヶ月半は時間がかかります。しかも、それだけ待って融資を受けられる保証もありません。審査の結果次第で「融資不可」となることもあるからです。その点、契約者貸付制度なら1週間程度で資金調達できます。また、借入金の原資が保険契約の解約返戻金ですから確実に資金調達できます。

借入金の返済条件がない

金融機関からの融資と違って、契約者貸付制度の返済に条件はありません。担保も保証人も不要です。あるとき払い。いつ返済してもOKです。借入金利も民間金融機関とそう変わりません。(契約内容にもよるが概ね2~3%程度)また、場合によっては返済せずに踏み倒すこともできます。

利益計上なしに資金調達できる

経理処理上、契約者貸付制度によって調達した現金は「借入金」として処理されます。一方、解約の場合はそれまで経費化(損金計上)していた保険料部分に対して「雑収入」(益金計上)が発生することがあります。つまり、契約者貸付制度は法人の利益に関係なく資金調達できるわけです。

借方 貸方
現預金  ×××××円 借入金  ×××××円
借方 貸方
現預金  ×××××円 雑収入  ×××××円

このような点を踏まえて、
法人保険における契約者貸付制度はどのような局面で活用できるのか?

契約者貸付制度の活用法

例えば、今月決算の中小企業があったとします。利益調整もして決算数字はほぼ固まっている状態です。この会社は金融機関から融資を受けている関係上、決算書にはある程度の利益を計上しておく必要がありました。さもなければ、次に金融機関から融資を受ける際に審査が厳しくなるからです。

 保険営業マンが知っておくべき決算書の見方

そんなとき、突発的な資金需要が発生してしまいました。当月中に資金を工面しなければいけません。ところが、それを工面するためのキャッシュがどうしても足りません。今からでは金融機関に融資を申し込んでも間に合いません。そこで、社長は法人保険に契約していることを思い出します。

「そうだ、この保険を解約して現金化しよう!」

しかし、その会社が加入していたのは1/2損金タイプの保険商品でした。ここで解約してしまうと、それまで経費化(損金計上)していた保険料部分に「雑収入」(益金計上)が発生し、今期決算に大きな影響を及ぼしてしまいます。そうかといって緊急にキャッシュが必要です。

このようなケースでは、いったいどうすればいいのか?

契約者貸付制度で利益計上の時期を調整する!

実は、このような局面でこそ、契約者貸付制度は役に立ちます。その理由はシンプルです。仮に、保険契約を解約するにしても、そこに契約者貸付制度をワンクッション挟むことで、「利益計上」の時期をずらすことができるからです。例えば、下図のようにです。

法人保険における契約者貸付制度の活用法

このようなタイミングで契約者貸付実行&保険契約解約を行うことで、その会社は「利益計上」の時期を翌年度にずらすことができます。契約者貸付の利息も1ヶ月程度なら微々たるものです。結果として、この会社は余計な税コストを発生させずに、急場の資金調達が可能になるわけです。

  • 2018年度に契約者貸付制度により資金調達は「借入金」として計上
  • 2019年度に保険契約解約により解約返戻金は「雑収入」として計上

この記事のまとめ

ちなみに、契約者貸付は“小口の資金需要”でも大いに活用できる制度です。多くの民間金融機関では小口融資はあまり歓迎されないからです。その理由はシンプルです。百万単位の小口融資を実行しても金融機関にとって儲けにならない。これに尽きます。

計算してみればわかります。仮に金融機関が200万円を金利2.0%の返済期間3年で融資したとします。これで金融機関はいくら儲かるのか。たったの62,248円です。3年間で、ですよ。これでは融資審査に関わる事務コストや手間を考えると「赤字」です。

一方、借りる側の会社にとっても、小口融資といえども審査には相応の時間がかかりますし、それだけ待って確実に融資をしてもらえる保証もありません。ならば、手っ取り早くて、確実な契約者貸付制度を活用した方が会社にとってもベストな選択肢といえるのではないでしょうか。

法人保険では出口戦略が重要になってきます。保険加入期間中は課税を繰り延べて節税メリットを享受できていても、出口(現金化)のタイミングを間違えると、それまでの節税メリットが消えてしまいます。逆に、「損」をするケースもあるでしょう。

こと「お金」のこととなると、中小企業の社長は顧問税理士に相談する傾向にあります。しかし、その税理士が保険に詳しくなければ、「保険を解約して現金化するしかないですね…」とアドバイスするかもしれません。その結果、本来払わずに済んだ税金は後で取り返すことはできません。

こうした事態を未然に防ぐ意味でも、法人保険のプロである、あなたが【法人保険における契約者貸付制度の活用法】を社長にぜひ教えてあげてください。