今回は法人保険が売れる人と売れない人の決定的な違いについて解説します。弊社には日頃、保険偉業マンからたくさんのご相談が寄せられています。その中のひとつに「社長に保険を提案しても成約できない。どこに原因があるのか?」というご相談がありました。結論からいうと、その原因は2つです。
以下にて実際の相談事例を紹介しながらその2つの原因と問題解決策について解説します。法人保険営業の初心者や「提案しても成約できない…」と同じ悩みを持つ保険営業マンはぜひ参考にしてください。
法人保険のトップセールスとの決定的な2つの違い
私は法人営業の初心者です。ただ、そんな私でも、おかげさまで、『社会保険料劇的削減プラン』を知ってから、社長に話を聞いてもらえるようになりました。ありがとうございます。しかし、社長に提案はできても(これでもすごい進歩なのですが)、未だ成約には至らない状況でして、自分ではどこに問題があるのか分からず悩んでおります。何か良いアドバイスをもらえないでしょうか?
このような相談がありましたので、回答します。社長に保険は提案できる。しかし、成約には至らない。だとすると、その原因は大きく2つ考えられます。それが次の2つの問題です。いずれも法人保険のトップセールスは持っていて、売れない保険営業マンは持ち合わせていないものです。
売れない原因#1はセールスプロセスの問題です。これは間違いを直せば改善できます。売れない原因#2は知識不足の問題です。これは今後の頑張り次第でどうにでもなります。逆にいうと、これら2つの原因を解消できれば、間違いなく社長に保険が売れるようになるわけです。以下にて解説を加えましょう。
まずはセールスステップを確認してみてください。実は、法人保険が売れない保険営業マンには共通点があります。それは、「保険」を売ろうとしている、ということです。なぜそれがダメなのか。
たいていの社長は保険には興味も関心もないからです。しかし、そんな社長でも「保険」を使った問題解決策には興味を示してくれます。例えば、保険を使って「税」や「社会保険料」を削減する、などがそうです。次の2つでどちらに社長が興味を示すかは明らかでしょう。当然、その答えは(B)です。
- 社長、今ご加入の生命保険を見直して保険料を節約しませんか?
- 社長、年収を変えずに社会保険料を削減する方法に興味はありますか?
売れない保険営業マンは“最初”から保険設計書を出して社長を説得しようとします。しかし、社長は保険には興味がないのですからそのやり方では売れません。やり方を変える必要があります。
一方、法人保険のトップセールスは決して「保険」を売ろうとしません。その代わり、「保険」を使った問題解決の“方法”を売り込みます。セールスでは彼らは必ず社長にこう確認します。
「私は社長の問題を解決する方法を知っています。この方法には××というメリットがあって、その結果、社長が抱える問題をこのように解決することができます。社長、この方法を使って問題を解決したいですか?」
トップセールスは“最後”に保険を売る
お気付きかと思いますが、この質問では「保険」という言葉は出てきません。しかし、質問に「YES」と答えた社長には結果として「保険」を提案できてしまいます。なぜなら、社長の問題を解決するには「保険」という“ツール”が不可欠だからです。トップセールスはこういう売り方をしています。
そうして質問に対して「YES」と答えた社長に彼らは満足条件の確認作業(ファクトファインディング)を続けます。『社会保険料劇的削減プラン』でいうと、「正直なところ、手取りでいくらあれば不自由なく生活できますか?」「役員報酬の中でいくら貯蓄に回していますか?」などの質問がそうです。
このように満足条件の確認作業(ファクトファインディング)を行えば、社長の要望に沿った保険プランを提案できるようになります。そうやって社長の要望をすべて吸い出して“後出しジャンケン”の要領で、
「社長、これがその問題を解決できるプランです!」
とクロージングする。これが法人保険のトップセールスに共通するセールスプロセスです。このようにセールスで彼らが保険の設計書を出すタイミングはプレゼンの最後の“最後”なのです。
社長に話は聞いてもらえても成約には至らない…。その場合、下記の売れない保険営業マンのセールスプロセスになっているかもしれません。まずはこの点をチェックしてみてください。
売れる人のセールスプロセス
(問題解決ありき)
法人保険を売れる人はプレゼンの“最後”に保険設計書を提示します。彼らはまず問題解決の方法をプレゼンし、その方法を実行するには保険という“ツール”が必要不可欠です、とプレゼンします。
売れない人のセールスプロセス
(保険商品ありき)
法人保険を売れない人はプレゼンの“最初”から保険設計書を提示します。彼らは保険を使った問題解決の方法を知らないからです。それゆえ、彼らは保険商品の特長やスペックばかりをプレゼンします。
なお、提案どころか、社長に話すら聞いてもらえない…。こういう悩みをお持ちなら以下の記事をぜひお読みください。「なぜ話を聞いてもらえないのか?」「ではどうすればいいのか?」が分かります。
次に知識格差の問題です。知識といっても保険商品の知識ではありません。周辺知識です。具体的には、会社の「税金」や「社会保険」などに関わる知識です。これが社長より劣っていると保険は売れません。
個人保険でも、法人保険でも、ある意味で保険営業マンはお客様との知識の“差”を売るのが商売といえます。知識の「差」こそ、保険営業マンの“競争力の源泉”なのです。お付き合いで加入する少額な保険ならまだしも、たいてい法人保険となれば、年間APで何百万円もの高額な保険契約になります。
知識の劣る相手から保険には入らない
ここで考えてみてください。そんな保険契約を、自分より知識の劣っている相手から加入する社長はまずいないのです。弊社に寄せられる質問や相談の中には、正直言って「その質問は持ち帰って来てはダメでしょ。その場で自信を持って即答しないと獲れる契約も獲れませんよ!」という内容もあったりします。
たいていの社長は意思決定に関して“慎重”な側面を持っているものです。だからこちらの提案でその社長がホットな状態になったとしても、少しでも直感的に「おや?」と感じたら、あたかも潮が引いたように「今回はやめておこう…」となるケースも十分考えられます。これは非常にもったいないことです。
それゆえ、社長に提案する保険プランに関わる「税金」や「社会保険」などの知識全般(根拠条文・導入実務も含む)については、社長に何を聞かれても答えられるよう知識武装しておく必要があります。
法人保険のトップセールスであれば、自分が売ろうとしている提案プランについては顧問税理士などに何を聞かれても、即答できるレベルの圧倒的な知識を身に付けているものです。
こればかりは自己研鑽するより他はありません。知識量の問題だからです。一朝一夕とはいきませんが、日頃の営業活動と並行して「税」や「社会保険」に関する専門書籍を読んだり、セミナーに参加したり、ネットから情報収集したりして周辺知識を高める努力をしておきましょう。
この記事のまとめ
以上、法人保険が売れる人と売れない人の決定的な2つの違いについて解説しました。今回の相談ケースは「社長に保険を提案しても成約できない。どこに原因があるのか?」というものでした。社長に保険は提案できるのであれば、アプローチの方法は間違っていないはずです。
だとすると、社長に話は聞いてもらえても成約には至らないのは「セールスプロセスの問題」か「知識不足の問題」かいずれか2つがおもな原因と考えられます。原因が分かれば対処はカンタンです。次の2つのいずれか、あるいは、どちらも実行すれば、間違いなく社長に保険が売れるようになるはずです。
- 解決策#1.トップセールスのセールスプロセスをマネする
- 解決策#2.提案プランについて圧倒的な知識を身に付ける