今回は保険営業の法人開拓で「手紙」が効果的な5つの理由と社長からアポを取る方法を解説します。実は、SNS全盛の今だからこそ、法人の新規開拓アプローチではアナログな手紙がおすすめです。ここでいう手紙とは個人から個人に出す「私信」のことをいいます。もちろん、日々の連絡はメールや電話が便利ですが、社長へのアプローチの確率を上げたいなら他と差別化できる手紙が効果的なのです。
以下にて、法人保険営業で手紙を活用するメリット、保険営業マンが知っておくべき手紙の効果を最大化するポイントなどを解説していきます。なお、この記事の後半では社長へのアポイントを取り付ける手紙の実例(サンプル)も公開しておりますので、ぜひ最後までお読みください。
法人保険営業の新規開拓で手紙が有効な5つの理由
法人保険営業において手紙を活用するメリットはズバリ、社長に直接アプローチできる確率が高くなることにあります。社長宛に送る手紙にはメールDM、FAXDM、郵送DMなどと違って次の違いがあります。
- 理由#1.他と差別化できる
- 理由#2.開封率が高い
- 理由#3.社長に読まれやすい
- 理由#4.情報伝達力がある(内容が伝わりやすい)
- 理由#5.手元に残る
理由#1.他と差別化できる
ご存知のとおり、コロナ禍以降、営業活動は大きく変化しました。その変化のひとつが法人開拓における営業メールやFAXDMの急増です。その結果、今では企業に日に何十通、何百通ものメールやFAXが送られてくるようになり、いくら送ってもその他大勢の中に埋もれる羽目になっています。この点において、アナログな手紙はその他大勢のセールメッセージと大きな違いを生み出すことができます。
理由#2.開封率が高い
メールDM、FAXDM、郵送DMでは社長の手元に届く前に事務社員によって選別されてゴミ箱行きの運命を辿るケースが多々あります。一方、個人から個人に宛てた手紙(私信)には“特別感”があります。事前に調べた名前を宛名にして送れば、事務社員も社長の手元まで届けてくれます。それゆえ、その他の手段と比して手紙は開封率が格段に高くなるのです。
理由#3.社長に読まれやすい
開封率が高いということは、それだけ社長に読まれやすいということです。例えば、次のようなシンプルな白い洋形封筒(洋長3)で手書きの手紙があなたに送られてきたとしたら、中身が気になるはずです。
理由#4.情報伝達力がある(内容が伝わりやすい)
手紙は「私」から「あなた」に宛てたパーソナルな媒体です。それゆえ、不特定多数に向けたメールDM、FAXDM、郵送DMと比べて、その内容に重みが感じられ、心に響きやすく、情報伝達力(内容が伝わりやすい)が高くなります。さらに、文章だけでは説明が難しい場合でも、図やイラストを使うことで分かりやすくする工夫を凝らすこともできます。
理由#5.手元に残る
手紙はメールと違って物理的に手元に残ります。そのため手元にある手紙を複数回目にすることで社長に印象深く覚えてもらいやすくなります。また、機械印字されたFAXDMや郵送DMと違って、“手書き”で書かれた手紙をその内容を読まずに捨てることにためらいを感じる社長もいることでしょう。物理的に手元に残れば、そのときは何のレスポンスもなくても、後からレスポンスしてもらえる可能性があります。
社長へのアプローチを成功させる手紙の書き方
続いて、「社長に送る手紙には何を書けばいいのか?」という疑問にお答えてしましょう。社長へのアプローチを成功させるために手紙に書くべき内容は大きく3つあります。
- 手紙を送った目的を伝える
- オファー(提案内容)を伝える
- 行動してもらうよう促す
手紙を送った目的を伝える
まず、あなたからの手紙を受け取った社長は「これは何の手紙なのか?」と思います。従って、手紙の冒頭部分で社長の疑問に答えるようにします。最後まで興味を持って手紙を読んでもらうには“ツカミ”が肝心です。そのために冒頭部分では「なぜ送ったのか?」「なぜ今なのか?」「なぜあなたなのか?」など、社長の「なぜ」に答えることが重要になります。冒頭部分は「なぜ」を意識して書くようにしましょう。
オファー(提案内容)を伝える
例えば、手紙を読んだ社長にアポイントを取り付けたいなら、あなたのオファー(提案内容)に従うと「どのようなメリットがあるのか?」を伝えなければいけません。具体的に伝えるのがポイントです。これまでの導入事例や成功報告などを「数字」を使って伝えると、社長に興味を持ってもらいやすくなります。
行動してもらうよう促す
あなたの手紙を読み進めていくうちに、「なるほど、趣旨は分かった。で、どうしろと?」と社長は思います。そこで、手紙の後半部分でその疑問に答えます。例えば、社長からアポイントを取り付けたいなら、手紙の中で「××月××日に一度、お電話を差し上げます。その際、社長のご都合の良い日時をお聞かせいただけないでしょうか?」と伝えます。そうして後日、電話して可否を確認するようにします。
手紙の効果を最大限に引き上げるポイント
手紙の書き方だけでなく、法人保険営業で手紙を使って社長にアプローチしたいなら、成果を最大限に引き上げるポイントも抑えておく必要があります。ポイントは大きく3つあります。
- 手書きで書く
- 特別感を演出する
- フォローコールを入れる
手書きで書く
できるだけ、手紙は“手書き”で書きましょう。それが難しいようなら、せめて手書き風フォントを使って手紙を書くようにしましょう。手書きの方が想いや熱量が伝わりやすく、より効果的になります。また、手書きというだけで機械印字のセールスメッセージとの差別化にもつながります。
特別感を演出する
例えば、封筒に記念切手を貼る。封筒や紙質をワンランク上のものにする。手紙をボールペンではなく、筆ペンや万年筆で書く。これだけでも送った手紙に特別感を持たせることができます。特別感を持ってもらえれば、開封率の向上にもつながり、最後まで読んでもらえる確率も高くなります。
フォローコールを入れる
手紙を送ったら社長から連絡をもらえた。そんなラッキーも稀にあるかもしれませんが、基本的にあなたがアクションを起こさなければ、社長もリアクションしてくれません。それゆえ、手紙を送ったらフォローコールを必ず入れましょう。社長にリアクションしてもらえる確率を上げるために手紙を送るのです。
社長からアポイントを取り付ける手紙文(実例)
以上の内容を踏まえたうえで、法人保険営業で社長からアポイントを取り付ける手紙の実例(サンプル)をお見せしましょう。例えば、あなたと面識のある社長であれば次のような手紙を送るのです。
いかがでしょうか?
このような手紙を送った後に社長にフォローコールするのです。いきなり訪問や電話などして社長からアポイントを取り付けようとするより、何倍も確率が高いと分るでしょう。
飛び込みやテレアポでは事務社員の“壁”に阻まれて社長にアプローチできないこともあるでしょう。
しかし、このような手紙を送って「先日、お手紙を差し上げた件で…」とやれば取り次いでもらえる確率も上がるのです。
この記事のまとめ
コロナ禍以降、メールや問い合わせフォームなどのデジタルなアプローチが急増しました。その結果、こうしたアプローチは、これまでよりも埋もれやすくなっています。そこで「手紙」を使ったアプローチです。一見すると、アナログな方法に感じる手紙ですが、毎日何十通もの営業メールにうんざりしている社長にとっては「いまどき手紙?」「何が書かれているのだろう?」と興味を持ってもらえるでしょう。
手間をかけた手紙だからこそ想いや熱意が伝わることもあります。もしあなたが日頃の営業活動でメールやSNSを多用しているのなら、それらを手紙に置き換えるだけでも、インパクトのあるアプローチになり、成功確率も高くなります。ぜひあなたの営業活動にも「手紙」を採り入れてみてください。