保険営業マンにとって今やメールは欠かせない営業ツールです。例えば、名刺交換の後やお客様を訪問した後にお礼のメールを送る。あるいは、アポイントを取り付けたい見込客がいるときにメールを送る。このように保険営業においてメールは欠かせないコミュニケーション手段になっています。
ここで気を付けたいのがメール営業の作法です。メールを送っても相手からレスポンスがない。そんな経験をお持ちなら、それはメール営業の作法が間違っているのかもしれません。そこで、今回はメール営業で失敗している“残念な保険営業マン”の特徴を見ていきましょう。特徴は大きく6つあります。逆に、この6つの特徴を反面教師にすれば、保険営業におけるメール営業の成功確率はグンと高まります。
特徴#1. メールの「差出人」が英語表記
個人で活動している保険営業マンに多いケースです。これに該当する保険営業マンはたいていはGmailやYahoo!メールなどのフリーメールを使っているのですが、海外相手にビジネスをしているならともかく、日本でビジネスをしているなら「日本語表記にしなさいよ!」という話です。
PCにメールが送られてくるとまずは「差出人」をチェックするはず。そこに見慣れない差出人で、しかも英語表記で「Masahiro Tanaka」「m-tanaka@gmail.com」なんてメールが送られて来ても、誰からのメールか分かりづらいですし迷惑メールかと思います。ビジネスでメールを使うなら日本語表記で、さらに「事務所名・屋号+名前」に差出人を設定することを、強くおすすめします。
フリーメール利用者は要注意!
もしあなたが営業活動でフリーメールを利用しているなら考えてみてください。手元にある名刺の中でフリーメールの事業者がいるでしょうか。法人はもちろん、それが個人事業主でも「info@事業者名.com」などのメールアドレスになっているのではないでしょうか。
また、「×××.ocn.ne.jp」「×××nifty.com」などプロバイダーメールの利用者もそうです。こちらは信頼性の点よりも「未だにプロバイダーメール?」という“残念な印象”を相手に持たれてしまいます。
メールアドレスは名刺にも記載する重要情報です。ビジネスの“センス”や“リテラシー”を疑われないためにも独自ドメインを取得して、メールアドレスを作成しましょう。以下のとおり、独自ドメインに契約されていない方は年間1,000円前後で契約できますのでこの機会にご検討されてください。
特徴#2. メールの「署名欄」がない
これもまた保険営業マンに多いケースです。ビジネスでメールを活用しているのなら、最低限の常識として「署名欄」は設定しておくべきです。ここでいう「署名欄」とはメールのフッター(最下部)にあなたの事務所情報(連絡先)が記載されるように設定しておくことをいいます。
メールの「署名欄」を工夫する
メールの「署名欄」は絶好の広告スペースです。メールのやり取りだけで、あなたを、あなたのビジネスを売り込むことができるからです。この点を考えて、メールの「署名欄」を工夫するようにしましょう。例えば、次の2つの「署名」で売上に貢献するのはどちらでしょうか。断然、後者の方ですよね。
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設定している方には当たり前の話でしょう。しかし、設定していない保険営業マンは意外と多いのです。「署名欄」とはメールの発信者情報です。「署名欄」があればメールの受け手はそれを見ただけで、「どこの誰からメールが来たのか?」が分かります。一方、なければ「どこの誰からメールが来たのか?」が分かりません。どちらの状態がビジネスにとって望ましいかはお分かりでしょう。
特徴#3.「件名」が意味不明
これは保険営業マンに限らず、本当に多いケースです。例えば、メールの件名が「こんにちは」「お世話になっています」「田中です」なんて具合に「これは何のメールなのか?」が分からないのです。ひどいケースでは“無題”で送られてくることもあります。「件名」とはメールの内容を端的に表す表題のことです。あなたも忙しいでしょうが、相手も忙しいことを忘れてはいけません。
例えば、見込客を訪問して設計書をメールで送ってほしいと依頼されたとします。あなたは設計書を作成しメールを送信することにしました。このようなケースで、見込客が「ああ、あれか!」とパッと分かるのは次のどの「件名」でしょうか。これはもう断然、「件名#3」ですよね。
- 件名#1.先日はありがとうございました。
- 件名#2.田中です。
- 件名#3.×月×日にご依頼いただいた設計書の件
特徴#4.社交辞令的で返答のしようがない
例えば、見込客を訪問した後は多くの保険営業マンが訪問のお礼メールを送っているはずです。しかし、そのメール文面はというと、おそらくどこかで出回っているテンプレートをそのまま引用しているのでしょう。たいていは次のような営業訪問のお礼メールを送っています。
****様(見込客の名前)
本日は貴重なお時間をいただきまして
ありがとうございました。
貴社のお役に立てるよう、
精一杯対応させていただきます。
ご不明な点やご要望等がございましたら
いつでもご連絡くださいませ。
今後ともよろしくお願いします。
(署名)
このようなメールをあなたが受け取ったします。率直にいって、このメールに返事をする方が難しいと思いませんか。たいていは読んでも「あそ」となるだけでしょう。メールを送る目的をよく考える必要があります。それが見込客に送るメールなら保険セールスを後押しするものにしたいはずです。
営業訪問後のお礼メール文例
例えば、営業訪問後のお礼メールについては以下を参考にしてください。上のお決まりの「お礼メール」と比べてみてください。この方があなたのセールスに貢献してくれると思いませんか。ぜひこのメールをアレンジして日頃の営業活動で使ってみてください。
****様(見込客の名前)
本日は貴重なお時間をいただきまして
ありがとうございました。
今回ご紹介させていただいたのは
____(見込客の問題)を解決できる画期的な方法で、
**様にとって____(具体的な導入メリット)という
効果が見込めるものと考えております。
とりわけ、次の3点を強調させていただきます。
- あなたの商品(サービス)がもたらすメリット
- あなたの商品(サービス)がもたらすメリット
- あなたの商品(サービス)がもたらすメリット
詳しくは本日持参した資料を
ご覧いただければと存じます。
ところで、**様に
ひとつ「ご確認」がございます。
本日のお話の中で**様より
いくつかご要望を伺ったのですが、
次の内容でお間違えなかったでしょうか?
- 見込客からヒアリングした内容
- 見込客からヒアリングした内容
- 見込客からヒアリングした内容
ご確認いただき不足があるようでしたら、
ご連絡くださいますと幸いです。
*月*日迄に上記のご要望を踏まえて
「実際にどれくらいメリットがあるのか?」
を具体的なシミュレーションとともに
ご報告させていただきます。
本日は貴重なお時間をいただきまして
ありがとうございました。
(署名)
【追伸】
これを機に御社のお役に立ちそうな情報がありましたら
タイムリーにご紹介させていただきたいと思っておりますので、
今後ともどうかよろしくお願いいたします。
特徴#5.無意味なフレーズを使う
意味のない決まり文句です。例えば、見込客に保険プランを提案した後、多くの保険営業マンが「その後いかがでしょうか?」というフレーズを使っています。既存顧客に使うのならよいのですが、これが見込客の場合は逆効果になります。「その後いかがでしょうか?」と漠然とした質問をされても、まだ保険加入を決めかねている見込客からすれば返事に困るからです。
仮に返事が返ってきたとしても、それは「検討中ですのでこちらからご連絡します」という答えくらいです。そんな答えを聞くためにメールを送ったのではありませんよね。
また、こちらから見込客にアプローチしておいて、「お気軽にご相談ください!」と書くのもあまり意味がありません。検討段階の見込客は積極的に保険営業マンに連絡しようとは思わないからです。逆の立場ならあなたもらそう言われて「それではお言葉に甘えて」なんて返事はしないでしょう。
特徴#6.何のメリットもないメールを送る
最後はこれです。何のメリットもない提案をしてくるメールです。先日もこんな営業メールが送られてきました。その内容は弊社で運営しているWEBサイトとタイアップしたい。ついては、「一度お打合せの機会をいただけないでしょうか」と書かれていました。当然、そのメールはスルーしました。
次の答えをメールの中に見つけることができなかったからです:
「なぜあなたのビジネスのために、私が時間を割かなければいけないのか?」
この答えを用意しない限り、絶対に相手から返事は返って来ません。あなたもそうですよね。以前、知り合いが異業種交流会で保険営業マンと名刺交換した翌日、「一度、お話だけでもさせていただけないでしょうか?」というメールが送られて来て、かなりの衝撃を受けていました。
現実世界では、相手に何かを期待するなら、それなりの見返りがないとダメなのは誰もが分かっているはず。しかし、こと営業活動となると、その重大ルールを忘れて自分都合のメールを送ってしまいがちです。メールで相手からのレスポンスを期待するなら「なぜ私があなたの言うとおり行動しなければいけないのか?」の答えを、受け手目線で徹底的に考える。これが重要です。
この記事のまとめ
実は、ここに挙げた“残念な保険営業マン”の6つの特徴には共通点があります。それは“YOU能力に欠けている”ということです。YOU能力とは相手の立場に身を置いて考えること。法人保険営業に限らず、営業するうえでは絶対に必要な“感性”です。少なくともメールを営業で活用するうえで今回ご紹介した6つのトピックは致命的です。心当たりのある方は今すぐ改善しておきましょう。