前回の続き「法人保険営業の成果を最大化する仕組みの作り方」を解説していきます。【step.02】は「セールス」です。【step.01】の「新規開拓」で見込客を集めたら次にやるべきは「保険」を売ることです。このとき、対面が必要な法人保険営業ではアポイントの獲得がきわめて重要になってきます。直接会ってセールスできなければ保険を売ることはできないからです。
そこで、多くの保険営業マンが何とかしてアポイントを取り付けようと四苦八苦するわけですが、ときに目的を見失っている保険営業マンを見かけます。アポイントを取ることが目的になってしまっているのです。こうした保険営業マンに共通するのが「要件をズバリ、言わない」という点です。例えば、
- 資料を届ける
- 担当の挨拶に伺う
- 近くまで来た
こういうアポイントの取り方をしようとします。しかし、本当の目的は違うはずです。その保険営業マンには売りたい「保険」があって、本当はセールスのアポイントを取りたいわけです。ならば、「なぜそれができるアポイントを取らないのか?」という話。会えば何とかなる。そう考えているなら間違いです。
仮に、要件をはぐらかしたまま訪問できたとしましょう。しかし、そのアポイントで訪問してセールスの話(本題)を切り出すにはかなりの「力技」が必要になってきます。なぜなら見込客はセールスに対する“受け入れ態勢”が整っていないからです。見込客が“受け入れ態勢”になってなければ、その保険営業マンの話も「右」から「左」です。結果として、そのセールスは「資料だけ置いてといて」「検討して必要だったら連絡するよ」 などと言われて、失敗に終わる確率が高いわけです。
では、どうすればいいのか?
以下、あなたが【step.02】で取り組むべき6つのリストです。
社長を前にセールスして失敗する最大要因は営業プロセスの第一歩にあります。保険営業マンが勝手にセールスをはじめて社長に心理的抵抗(売り込まれている感)を植え付けてしまうのです。ひと度、社長に心理的抵抗が芽生えると、その後の挽回は難しくなります。何を言っても聞く耳を持たなくなるからです。
このような事態を回避するには、社長からセールスの「許可」をもらうことです。どんなトップ営業マンでも興味のない社長に保険を売ることはできないし、保険に興味を持たせることもできません。「欲しくないものを売りつけられたくない」と、あなたが思うのと同じ。社長もそう思っているからです。
社長からセールスの「許可」をもらうには?
従って、営業プロセスの第一歩は社長からセールスの「許可」をもらうことからスタートします。セールスの「許可」をもらうには、それが社長にとって魅力的なオファー(提案)かどうかが重要になってきます。そのオファーが社長にとって魅力的に映らなければセールスの「許可」はもらえないからです。
保険を売るには、まず社長に話を聞いてもらう必要があります。しかし、社長は保険には興味も関心もありません。そんな社長にあなたの話に聞く耳を持ってもらうためには、どうすればいいのか。
今一度、【step.01】の内容を思い出してください。社長の悩みは大きく「売上アップ」「経費削減」(資金調達)に集約されます。従って、法人保険営業で社長に話を聞いてもらうには、これらの悩みに紐づけされた保険提案の「切り口」でセールスの「許可」をもらうのです。例えば、法人保険を活用して、
- 社長と会社の社会保険料を削減する方法
- 社長と会社の手元キャッシュを最大化する方法
- 社長の報酬総額を最大化する方法
などがそうです。こうした「切り口」でまずは社長を“セールスの受け入れ状態”にしてからアポイントを獲得するのです。アプローチ話法はそのためにあります。
アプローチ話法はセールスの許可をもらえるかどうか判定するリトマス試験紙の役割を果たします。紙の色が「青(赤)」に変わればセールスに進めます。反対に、変わらなければ進めません。その判定は見込客の反応を見れば分かります。具体的には、あなたのアプローチに対して、
もう少し詳しく話を聞きたい(何それ、詳しく聞かせてよ!)
という反応が見込客から返ってきたら、それは“見込客があなたの話を聞きたがっている”ということです。実際、このような反応を引き出せれば「では詳しくお話させていただきますので、*月*日のご都合はいかがでしょうか?」とセールスにつなげることができるはずです。例えば、社長にこう切り出します。
社長、実は、法人と社長の支出は1円も変えず、合法的に、社会保険料だけ大幅に削減して数年後には法人と社長の手元に残るキャッシュを最大で8桁増やす方法があります。しかも、その方法で削減したキャッシュは数年後には社長個人が非課税で受け取れます。また、そのキャッシュはすぐにでもご利用いただけますが、放ったらかしにしても、年利1%程度で増えていきますので、当面使う予定がなければ、銀行預金よりも有利に資産運用することも可能です。いかがでしょうか?
社長、「借り上げ社宅制度」のメリットをご存知ですか?
同じ住まいでも契約名義を【会社】にするだけで、それは社宅扱いになり、会社は家賃を全額経費にできて、社長は税金も社会保険料も安くなる合法的な制度です。実は、これと同じことが社長個人で加入している保険にも当てはまります。つまり、同じ保険でも名義を【会社】に切り替えると、会社は保険料を全額経費で、社長自身は手取り増加を実現できるのです。しかも、最終的に社長はその保険を“タダ”で手に入れることができるとしたら、その方法にご興味はありませんか?
このように切り出して、「何それ?詳しく聞かせてよ!」という反応が返って来たらアプローチは成功です。社長はあなたの話を聞く準備が整いました。つまり、“セールス受け入れ状態”になったわけです。
アプローチ話法5つのポイント
重要なのは「ギャップ」を作ることです。誰だって「興味のないこと」「すでに知っていること」を耳にしても、「もう少し詳しく話を聞きたい(何それ、詳しく聞かせてよ!)」とはなりません。そういう反応を引き出すには「にわかには信じがたい。そんなこと本当にできるわけ?」と心理的ギャップを起こさせることが重要になってきます。この心理的ギャップを相手に起こさせるのが「アプローチ話法」です。
アプローチ話法を作るときのポイントは大きく5つあります。
- ポイント#1|心理的ギャップを作り出す
- ポイント#2|社長の興味に訴えかける
- ポイント#3|保険を主役にしない
- ポイント#4|具体的にする
- ポイント#5|すべてを明かさない
ポイント#1|心理的ギャップを作り出す
アプローチ話法では「にわかには信じがたい!そんなこと本当にできるわけ?」と心理的ギャップを社長に起こさせることが重要です。人は心理的ギャップが起きたとき、そのギャップを解消したいと思います。これを社会心理学では「認知不協和」というのですが、アプローチ話法ではそれを応用します。
ポイント#2|社長の興味に訴えかける
先述のとおり、社長の悩みは「売上アップ」「経費削減」(資金調達)に集約されます。従って、法人保険営業のアプローチ話法はこれらの悩みにフォーカスします。反対に、「売上アップ」「経費削減」(資金調達)以外のトピックで効果的なアプローチ話法を作ることは難しいと思ってください。
ポイント#3|保険を主役にしない
社長が欲しいのは「どうすれば悩みを解決できるのか?」に対する【答え】です。だから、保険を主役にしたアプローチ話法では、それを聞いた社長は別に欲しいと思わない → 興味を失う → その先の話を聞きたいと思わない → ジ・エンドというお決まりのパターンになってしまいます。
ポイント#4|具体的にする
目から入った情報でも、耳から入った情報でも、人は具体的なものに反応します。例えばアプローチ話法に「数字」を入れる。それだけで見込客の興味を惹き付ける効果があります。次を比べてみてください。どちらにインパクトがあって、その先を知りたいという気になるでしょうか。
- 家計を節約して貯蓄をしたい人は他にいませんか?
- 家計を18%節約して年利2.5%の貯蓄をしたい人は他にいませんか?
ポイント#5|すべてを明かさない
アプローチ話法で全部を語ってしまう。オチを先に言ってしまう。そうなると見込客はもうあなたの話を聞く必要がなくなってしまいます。よって、アプローチ話法ではすべてを明かさず、「では詳しくお話させていただきますので、*月*日のご都合はいかがでしょうか?」とアポイント獲得に徹するようにします。
アプローチ話法の鉄板テンプレート
とっておきの方法をご紹介しましょう。実はアプローチ話法には「鉄板テンプレート」があります。次の__を埋めてください。__を埋めたら先ほどの5つのポイントを外していないかチェックします。そうして完成したものがアプローチ話法です。鉄板テンプレートはいたってシンプルです。ここで使われている「方法」という言葉は「秘密」「秘訣」「仕組み」「制度」という言葉に置き換えてもOKです。
実は、____(社長の悩み)について____(解決できる)方法があります。
社長、その方法に興味はありますか?
社長からセールスの「許可」をもらったら、次はいよいよ社長を「見込客」から「顧客」に変えるステップです。つまり、セールスして成約させるのです。そこで、まずは社長を前にセールスするとき、「何を伝えればいいのか?」という疑問に答えていきます。
セールスで伝えるべき5つの「理由」
人が何かを買うときは「理由」が必要です。その「理由」に納得して人ははじめて購入を決断します。実は、あなたにしても、社長にしても、人が購入前に考える「理由」はおよそ次の5つに集約されます。これはそのまま保険に加入すべき「理由」になります。従って、保険営業マンとしてあなたが“売り手”という立場に回ったとき、消費者目線でこの5つの「理由」を網羅してセールスする必要があります。
- 理由#1|なぜ私が加入しなければいけないのか?
- 理由#2|なぜあなたから加入しなければいけないのか?
- 理由#3|なぜその保険プランなのか?
- 理由#4|なぜその保険料なのか?
- 理由#5|なぜ今なのか?
理由#1|なぜ私が加入しなければいけないのか?
当然、「誰でもいいから加入してください!」では誰からも加入してもらえません。この質問に答えるには「あなたは社長の、どんな『悩み』を解決できるのか?」が明確になっている必要があります。「なぜ私にすすめるのか?」の「理由」に社長が納得すれば、必ずあなたの話に興味を持ってくれるはずです。
理由#2|なぜあなたから加入しなければいけないのか?
社長があなたから保険に加入する「理由」です。その「理由」が私は社長の悩みもその解決方法も知りません。でも、私には営業ノルマがあります。「だからとにかく私の話を聞いてください!」では相手にされないでしょう。一方、「私は社長の悩みを解決できる方法を知っています。もし社長がお悩みならいつでも解決してみせます!」となれば、社長があなたから保険に加入する「理由」になるわけです。
理由#3|なぜその保険プランなのか?
あなたが社長にその保険プランをすすめる「理由」です。「なぜその保険プランなのか?」について、社長が納得できる「理由」を見付けてくれなければ、その保険プランは検討されることはありません。であれば、その「理由」を100%提示しなくてはいけません。
理由#4|なぜその保険料なのか?
保険料は単なる数字です。「なぜその保険料なのか?」を社長に納得させる「理由」が必要です。例えば、あなたが『社会保険料劇的削減プラン』を販売しているのなら「御社と社長の社会保険料を年間**万円削減するためには月々**万円の保険商品に加入してもらうことになります」と購入後のメリットから逆算して説明します。そうすることで社長が納得できる「理由」になります。
理由#5|なぜ今なのか?
社長が今すぐ行動すべき「理由」です。「いつでもいいですよ!」では「わかりました。そうします」で終わってしまいます。そうこうしているうちに、社長はその保険プランを忘れてしまうか、あるいは他の商品(サービス)を買ってしまうでしょう。従って、「今すぐ行動しなければどういう結果になるのか?」をきちんと社長に伝える必要があります。緊急性を感じなければ欲望は薄れていくものです。
セールスではこれら5つの「理由」を網羅しないと「保険に加入しない理由」を社長に与えてしまうことになります。ゆえに、社長から高確率で成約したければ、この5つの「理由」の【答え】をセールストークに盛り込む必要があるのです。そう考えると、社長を前にセールスするとき「何を伝えればいいのか?」が見えてくるのではないでしょうか。それが見えてきたら、残る問題は「どういう順番で伝えるか?」です。
ご存知でしょうが、「AIDMA」という理論があります。「AIDMA理論」とは次のアタマ文字から来ているのですが、とりわけ、対面セールスではこの理論をよく頭に入れておく必要があります。というのも、対面セールスではプレゼンテーションの“順番”がとても重要だからです。
Attention(注意)
Interset(興味)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)
セールスで成約に至らないのは「人の購買心理」に沿ったプレゼンテーションが“できていない”のが最大の原因です。要はプレゼンテーションの「順番」を間違っているのです。その点、トップ営業マンは「順番」を熟知しています。いつでも、誰が相手でも、自分のシナリオどおりのセールスを実現します。
意識してか、そうでないかはともかくてとして、「人の購買心理」を巧みに読み取って、「AIDMA理論」の流れでプレゼンテーションしています。 だからこそ彼らの成約率はダントツに高いわけです。であれば、話は簡単です。あなたもトップ営業マンと同じ手順でセールスすればいいのです。
そう言うと、「それができれば苦労などしない!」とお叱りの声が聞こえてきそうです。まさにそのとおりです。たいていはトップ営業マンのマネなんてできません。なぜなら、それがトップ営業マンの長年の経験と試行錯誤によって蓄積された“きわめて属人的なノウハウ”だからです。
個人の営業スキルに依存しないセールス法
そこで、個人の営業スキルに依存しないセールス法を考えるのです。そのセールス法とはこうです。まずトップ営業マンのプレゼンテーションのやり方を“ツール”に落とし込んで誰でも再現できるようにします。次に実際の営業現場ではその“ツール”の力を借りてプレゼンテーションします。そうすることで、誰でもトップ営業マン並の成約率を叩き出せる、という寸法です。さらに詳しく解説しましょう。
その“ツール”とは次のような「プレゼン提案書」です。「プレゼン提案書」にはセールスであなたが伝えるべき内容が全部詰まっています。従って、「プレゼン提案書」に沿ってプレゼンテーションすれば、誰でもトップ営業マンのセールストークを再現できるようになるのです。
- なぜ私が加入しなければいけないのか?
- なぜあなたから加入しなければいけないのか?
- なぜその保険プランなのか?
- なぜその保険料なのか?
- なぜ今なのか?
- Attention(注意)…注目してもらう
- Interest(興味)…興味を持ってもらう
- Desire(欲求)…欲しいと思ってもらう
- Memory(記憶)…覚えてもらう
- Action(行動)…行動してもらう
もしあなたがこのような視覚に訴える“ツール”を用意せず、“営業トーク”だけを頼りにセールスしているなら、それは大きな機会損失をしています。人間には「ラーニング・ピラミッド(学習定着率)」という数値が存在するからです。 次の図を見てください。
ご覧のとおり、人の記憶定着率は「聞いた」だけだと10%ですが、そこに「見た」というアクションが加わると20%の記憶定着率に跳ね上がります。
すなわち、“営業トーク”だけのセールスと“営業トーク+ツール”を比べると、見込客の記憶定着率には単純に“2倍”の違いが生れるのです。この差はそのままセールスの成約率に反映していきます。
さらに、「プレゼン提案書」を使ってセールスに社長を巻き込むようにします。例えば、セールスの途中で「社長、ここまでで何かご不明な点はありますか?」などと質問を投げかけます。そうすることで、「聞いた」「見た」「話し合った」という3つのアクションを加えることができます。この3つが加わると、記憶定着率は40%に跳ね上がり、“営業トーク”だけのセールスと比べると、実に“4倍”もの差が生まれるわけです。
このように「プレゼン提案書」にはトップ営業マンのセールストークを「紙上」で再現できるだけでなく、見込客の記憶定着率アップにも大きく寄与します。いずれも成約率を引き上げるキーファクターです。もしあなたが営業下手を自覚しているなら、ぜひ「プレゼン提案書」の活用を検討されてください。
売れるプレゼン提案書の書き方
まずは「プレゼン提案書」が使われる場面をイメージしてみてください。「プレゼン提案書」を使う相手はアプローチ話法によって「何それ?詳しく聞かせてよ」とセールスの「許可」をくれた社長です。その際は社長の悩みにフォーカスしたアプローチ話法を使ったはずです。ならば、「プレゼン提案書」のテーマは決まっています。テーマは「社長の悩みを『保険』を使って解決する方法」です。
後は「そのテーマをどう効果的に社長に伝えていくか?」ですが、それについては効果実証済みのフォーマットがあります。「売れるプレゼン提案書」の基本構成は大きく5つです。
- タイトル
- 問題提示
- 解決策提示
- クロージング
- プロフィール
タイトル(テーマ)
表紙にはタイトルと提案者名などを表示します。タイトルはきわめて重要です。いくら中身が素晴らしくても、タイトルを見て興味を持ってもらえなければ、その先の興味がそがれてしまいます。従って、プレゼン提案書では「早くその中身を知りたい!」と社長に思わせるタイトルを考えましょう。
問題提起
プレゼン提案書の導入部分です。社長は悩みを抱えていて、それを何とか解決したいと思っています。しかし、自力では解決できずにいます。その現状を踏まえて、導入部分では「こんなことで悩んでいませんか?」「このままその悩みを放置するとマズイことになります」と問題提起することで、社長をプレゼンテーションに引き込みます。
解決策の提示
ここではじめて「でもご安心ください。その悩みを解決する方法があります」と解決策を提示し、保険プランの詳細を明らかにします。この提案を受け入れることがいかにメリットのあることか。具体的な数値を交えながらビフォー・アフターで「変化」を語りましょう。また、不信感を与えぬよう、デメリットも隠さず伝えます。
クロージング
クロージングで大事なことは「どうして欲しいのか?」を社長にハッキリ伝えることです。あくまでもプレゼンテーションで売り込むのは「社長の悩みを『保険』を使って解決する方法」です。よって、この後に個別プランの見積りが必要ならそう伝えます。そうして全部伝え終ってから、「で、どうしますか?」とクロージングを完結します。
プロフィール
最後にプロフィール/連絡方法を表記します。プロフィールを掲載するのは「なぜあなたから加入しなければいけないのか?」という疑問に答えるため、連絡方法を掲載するのは社長からの反応の「受け皿」を用意するためです。(※プロフィールの詳細は別途「プロフィールシート」で補完してもOKです)
ここまでのセールスの流れを整理すると、次のようになります。お気付きかと思いますが、保険プランを提示するのは一番最後です。実は、この流れこそが、法人保険営業で一番重要なポイントなのです。
アプローチ話法で
セールスの許可を得る
問題解決の方法を
プレゼンテーションする
を提示する
トップ営業マンの高確率セールスの秘密
すべからくトップ営業マンはこの流れでセールスしています。一方、売れない営業マンははじめから具体的な保険プランを提示してしまいます。だから売れないのです。社長は「保険」に興味がありません。興味があるのは「どうすれば自分の悩みは解決できるのか?」ということだけです。その点を棚上げして、はじめから具体的な保険プランを説明しても、成約などできるわけがないのです。
あくまでも社長が欲しいのは「問題解決の方法」であって、「保険」はそのための手段にすぎません。従って、次の展開になってはじめて具体的な保険プランを提示できるのです。
アプローチ話法で
セールスの許可を得る
___という悩みを抱える社長がいて、
その悩みを「保険」を使って解決する方法をあなたは知っている。
そこで、その解決方法について社長に興味があるか?
と確認すると、社長は話を聞きたいという。
だから、その方法を教えてあげる。
問題解決の方法を
プレゼンテーションする
それからあなたは社長にその方法を教えてあげた。
そして、最後にこう尋ねてみた。
社長、その方法で問題解決したいですか?
すると、社長は解決したいという。
わかりました。
そう言って、あなたはこう続ける。
では、具体的なプランをお持ちします。
プラン作成にあたって何点か質問させてください。
そうしてひととおり社長から
プラン作成に必要な満足条件をヒアリングして、
それではX月Y日のご都合はいかがでしょうか?
と次回のアポイントを取り付ける。
を提示する
X月Y日。
本日は前回お伺いしたご要望を踏まえて
具体的なプランをお持ちしました。
そう言ってあなたは保険プランを社長に提示する。
これがご要望どおりのプランです。
そう切り出してから最後にこう社長に意思確認する。
どうされますか?
これがトップ営業マンのセールスの流れです。往々にして彼らは具体的な保険プランを提示する“前”に「この方法で問題を解決したいですか?」と仮クロージングを済ませてしまいます。そのうえで、「解決したい」と答えた社長だけに具体的な保険プランを提示します。その際は、「どうされますか?」と社長に意思確認するだけ。ここに応酬話法だの、説得のスキルだのが介在する余地はないのです。
大事なことなので繰り返します。具体的な保険プランを提示するタイミングは社長が「その方法で問題解決したい」と言った“後”です。その一方で、社長の答えが「解決したくない」であれば、保険プランのパンフレットや見積書を提示する必要はないというわけです。なぜって、その方法で解決したくないからです。
まとめ
以上が【step.02】の「セールス」でやるべきことです。ここで解説している6つのリストを1つ1つ着実に取り組むことが保険営業における「セールス」の成約率を飛躍させることにつながります。ぜひこのとおりに実践してみてください。続いて【step.03】の解説に移ります。
保険営業の成果を最大化する「仕組み」の作り方について
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