今回は新型コロナ関連テナント事業者支援策まとめをご紹介します。すでにご承知のとおり、政府は新型コロナウイルス感染拡大の影響で全国に発令していた「緊急事態宣言」を5月6日から31日まで延長すると発表しました。対象区域は全都道府県で、これまでの方針が継続されます。
これにより経済活動へのダメージはさらに長期化し、多くの中小企業・個人事業主が苦境に立たされることになります。とりわけ、「人」との接触が避けられない業種で、テナントを借りている中小企業・個人事業主のダメージは深刻です。売上がなくとも、「家賃」という固定費が重くのしかかってくるからです。
こうした状況を受けて、政府と各自治体はテナント事業者向けの支援策を打ち出しています。飲食店、美容院、医院・歯科クリニックなど、その多くはテナント事業者です。あなたの顧客にもテナント事業者が数多くいるのではないでしょうか。テレワークや訪問自粛などで法人保険の営業活動が制限されているこの時期こそ、「情報提供」という形で顧客からの信頼を勝ち取っておくことが重要です。
以下に政府と各自治体によるテナント・ビルオーナー(大家)双方に対する支援策をまとめました。ぜひここで紹介した経済支援策をあなたの顧客に教えてあげてください。
この記事の目次
顧客配布用レジュメダウンロード
新型コロナ関連の事業者支援策まとめを「顧客配布用レジュメ」として以下よりダウンロードしていただけます。テキスト内の「青字」にはリンクを貼ってあります。情報が錯綜している中、もしかすると、あなたの顧客も「何をどうすればいいのか?」と途方に暮れているかもしれません。そんなときは、ぜひ本レジュメを渡して支援策を教えてあげてください。
まず中小企業・個人事業主にはテナントを借りているかどうかを問わず、国から各種の支援策が用意されています。よって、現時点では国からの支援についてはコチラの記事で紹介している内容になります。つまり、現状ではテナント事業者はその支援を活用して家賃に充当してください、というスタンスです。
そのうえで、国とは別に都道府県単位での経済支援もあります。例えば、東京都では休業要請に協力した事業主に対して「協力金」という名目で50万円(2事業所以上で休業等に取り組む事業者は100万円)の経済支援をしています。他道府県でも同様の経済支援を実施していますので、各自でお調べください。
国によるテナント事業者向け支援策(案)
ただし、政府は5月7日付けでテナント事業者向けに中小企業で月50万円、個人事業主で月25万円を上限とし、全国一律で家賃の3分の2を補助する支援策を発表しています。この支援策では
- 支給期間は6月分家賃から今年いっぱいで最大で半年分
- 支援対象は売上が前年比5割以上減or3カ月平均で3割以上減の事業者(業種限定なし)
とし、上記の事業者に日本政策金融公庫や民間金融機関から無利子・無担保で融資を受けてもらい、家賃に使った分を後から国が補助する仕組みとなる模様です。(※支援内容は変動することがあります)
各自治体による家賃補助
現在、テナント事業者(中小企業・個人事業主)に家賃補助という形で支援を行う自治体も多くなってきています。ただし、その支給要件や支給額については自治体で幅があります。以下、調べられる範囲で、家賃補助を実施している自治体を列挙しておきます。(※残りはご自身の自治体HP等でお調べください)
北海道根室市
金額 | 3~4月の家賃(最大月5万円) |
対象 | 飲食業・宿泊業者 |
詳細 | 根室市HP |
青森県青森市
金額 | 月額賃料8割(最大30万円) |
対象 | 卸/小売業・宿泊業・飲食サービス業 |
詳細 | 青森市HP |
宮城県富谷市
金額 | 月家賃の1/2(最大月5万×3ヶ月) |
対象 | 店舗・事務所等を構える事業者 |
詳細 | 富谷市HP |
福島県いわき市
金額 | 月家賃の1/2(最大月5万×6ヶ月) |
対象 | テナント事業者 |
詳細 | いわき市HP |
山形県山形市
金額 | 4~6月の家賃(最大30万円) |
対象 | 飲食業・宅配サービス業 |
詳細 | 山形市HP |
石川県小松市
金額 | 4~5月の家賃1/2(最大7万円) |
対象 | 飲食業・小売業・美容業 |
詳細 | 小松市HP |
埼玉県蕨市
金額 | 家賃補助加算上限5万円 |
対象 | 店舗・事務所等を借りている事業者 |
詳細 | 蕨市HP |
東京都文京区
金額 | 月家賃の4/5(最大20万円) |
対象 | 小売業・卸売業・飲食サービス業等 |
詳細 | 文京区HP |
神奈川県平塚市
金額 | 月家賃2ヶ月分(最大30万円) |
対象 | 店舗・事務所等を借りている事業者 |
詳細 | 平塚市HP |
静岡県熱海市
金額 | 月額5万円(最大2ヶ月) |
対象 | 店舗・事務所等を借りている事業者 |
詳細 | 熱海市HP |
兵庫県姫路市
金額 | 一律10万円 |
対象 | 休業・短縮営業した店舗等 |
詳細 | 福岡市HP |
福岡県福岡市
金額 | 家賃の8/10(最大50万円) |
対象 | 休業・短縮営業した店舗等 |
詳細 | 福岡市HP |
熊本県熊本市
金額 | 家賃の8/10(最大28万円) |
対象 | 休業・短縮営業した店舗等 |
詳細 | 熊本市HP |
大分県別府市
金額 | 月額家賃(上限8万円)×6ヶ月 |
対象 | 店舗・事務所等を借りている事業者 |
詳細 | 別府市HP |
北海道小樽市
金額 | 家賃1/2×2ヶ月(最大10万円) |
対象 | 飲食店 |
詳細 | 小樽市HP |
青森県弘前市
金額 | 最大10万円 |
対象 | 飲食店・小売店等 |
詳細 | 弘前市HP |
岩手県
金額 | 家賃の1/2(最大30万円) |
対象 | 飲食・小売等の事業者 |
詳細 | 岩手県HP |
福島県福島市
金額 | 家賃の1/2(最大40万円) |
対象 | 飲食店 |
詳細 | 福島市HP |
新潟県上越市
金額 | 月額家賃3ヶ月(最大30万円) |
対象 | 運輸業・小売業・宿泊業・飲食業等 |
詳細 | 上越市HP |
長野県飯田市
金額 | 月家賃8割(上限8万円)×2ヶ月 |
対象 | 店舗・事務所等を借りている事業者 |
詳細 | 飯田市HP |
千葉県船橋市
金額 | 月額家賃の2/3(最大20万円) |
対象 | 店舗・事務所等を借りている事業者 |
詳細 | 船橋市HP |
神奈川県鎌倉市
金額 | 最大2ヶ月分家賃(売上減少比例) |
対象 | 店舗・事務所等を借りている事業者 |
詳細 | 平塚市HP |
神奈川県横須賀市
金額 | 3~4月家賃の1/2(最大20万円) |
対象 | 店舗・事務所等を借りている事業者 |
詳細 | 横須賀市HP |
岐阜県高山市
金額 | 家賃の1/3(最大40万円) |
対象 | 店舗・事務所等を借りている事業者 |
詳細 | 高山市HP |
山口県山口市
金額 | 4~6月の家賃(最大30万円) |
対象 | 飲食サービス業 |
詳細 | 福岡市HP |
福岡県北九州市
金額 | 家賃の4/5(最大40万円) |
対象 | 休業・短縮営業した店舗等 |
詳細 | 北九州市HP |
大分県大分市
金額 | 3ヶ月分家賃の3/4(上限24万円) |
対象 | 店舗・事務所等を借りている事業者 |
詳細 | 大分市HP |
宮崎県宮崎市
金額 | 家賃の8割(上限10万円) |
対象 | 店舗・事務所等を借りている事業者 |
詳細 | 宮崎市HP |
ここに挙げた以外でもテナント事業者向け支援策を実施している自治体は多数あります。また、5月7日の国によるテナント事業者向け支援策の発表を受けて、今後も各自治体で支援制度の新設や拡充を図る動きも出ることでしょう。詳細は各自治体HPにて各自ご確認ください。
テナント事業者が苦境に立たされている一方、ビルオーナー(大家)もローンの返済を抱えているなどの事情があり、そう簡単に猶予・減額に応じられないケースもあります。そこで、ビルオーナー(大家)がテナント事業者の賃料について減額や猶予に応じた場合、国や自治体による支援策が用意されています。
国土交通省による支援策
国土交通省ではビルオーナー(大家)に対して、飲食店などの事業者のテナント賃料について減額や猶予に応じた場合、大きく次の3つの支援策を実施する旨を発表しています。
- 固定資産税・都市計画税を減免
- 税と社会保険料の猶予
- 減額・免除した家賃の損金算入
国土交通省|ビル賃貸事業者の皆様へ ~新型コロナウイルス感染症に係る支援策~
固定資産税・都市計画税を減免(2021年度)
ビルオーナー(大家)がテナント賃料の減額・猶予に応じた結果、収入が減少した場合は固定資産税・都市計画税(2021年度)の減免措置があります。減免率は前年同期比の収入減少率によって決まり、減少率が30%以上50%未満の場合は1/2、50%以上の場合は全額が免除となります。
2020年2~10月の収入減少率(前年同期比) | 減免率 |
30%以上50%未満 | 1/2 |
50%以上 | 全額 |
税と社会保険料の猶予
ビルオーナー(大家)がテナント賃料の減額・猶予に応じた結果、収入が前年同期に比べて概ね 20%以上減少し、国税・地方税・社会保険料を一時に納付することが困難な場合は個人・法人の別、規模を問わず、申請により、原則1年間、無担保・延滞税(延滞金)なく、納税が猶予されます。
減額・免除した家賃の損金算入
これまではビルオーナー(大家)がテナント家賃の減額・猶予などに応じた場合、減額や猶予によって生じた損害の差額は「寄附金」の扱いとなり、「損金」に算入できませんでした。しかし、新型コロナウイルスの影響によりビルオーナー(大家)がテナントの賃料を減免した場合、減額によって生じた損害の額を「損金」として計上できるようになりました。ただし、それには以下3つの条件を満たす必要があります。
- 取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、または困難となるおそれが明らかであること
- 実施する賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること
- 賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間)内に行われたものであること
自治体による支援策
テナント事業者(中小企業・個人事業主)に家賃補助という形ではなく、テナント家賃の減額・猶予などに応じたビルオーナー(大家)に対して直接支援する自治体もあります。
比率でいうと、テナント事業者向け支援策を実施している自治体が多数派です。しかし、ここに挙げた自治体のようにビルオーナー(大家)の家賃減免に対して支援を実施している自治体もあります。テナント事業者向け支援策同様、国の支援策と歩調を合わせて今後も各自治体で支援制度の新設や拡充を図る動きが出るでしょう。詳細は各自治体HPにて各自ご確認ください。
まとめ
今この非常事態にあって、たいていの中小企業・小規模事業者は「保険の話どころじゃない」という状況でしょう。しかし、あなたは保険営業マンです。どのような状況にあっても、保険を売るのが仕事です。こんな状況だから保険が売れなくても仕方ない。そう諦めるか。
それとも、こんな状況でも社長に貢献できる提案がある。そう切り替えて、ピンチをチャンスに変えていくか。今まさに重要なターニングポイントを迎えています。そこで本題です。
もしあなたが後者のようにこの状況をチャンスに変える意思があるのなら、新型コロナウイルスの影響で売上ダウンを余儀なくされている社長たちに直接的に貢献できる提案プランがあります。失われた売上は戻って来ませんが、それに匹敵するくらいの経済メリットを発揮できる提案プランです。
以下がその提案プランです。中小企業、個人事業主それぞれに貢献できる提案プランです。
ぜひこの非常事態でもあなただけは足を止めないでください。