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保険営業マンは注目!~2020年9月から多くの社長の厚生年金が65,880円上昇

今、世の中はコロナ一色ですが、その陰に隠れて、まったくと言っていいほど話題にならないニュースがあります。しかし、保険営業マンなら知っておかねばならないことです。それが、厚生年金保険料の改定です。実は、2020年9月より高額報酬者の厚生年金保険料が引き上げられます。このことで多くの社長の保険料はアップすることになるでしょう。その額、年65,880円です。以下にて詳細解説しましょう…





標準報酬月額65万円(32等級)が新設!

厚生年金保険料は2004年(平成16年)から2017年(平成29年)まで段階的に引き上げられ、その後は料率・等級の変更はありませんでした。2020年4月(令和2年4月)現在、厚生年金保険料の料率は18.30%です。等級は31等級で標準報酬月額62万円、保険料は労使合計113,460円(本人56,730円)が限度でした。

しかし、2020年9月(令和2年9月)分から32等級が新設されます。これによって、標準報酬月額は65万円が上限になり、厚生年金保険料は労使合計118,950円(本人59,475円)になります。

~ 2020年9月
等級 標準報酬 報酬月額 労使保険料
31 620,000円 605,000円~ 113,460円
2020年9月 ~
等級 標準報酬 報酬月額 労使保険料
31 620,000円 605,000円~ 113,460円
32 650,000円 635,000円~ 118,950円

すなわち、2020年9月(令和2年9月)分から社長のような高額報酬者の保険料は労使合計で月額5,490円、年額65,880円上昇することになるわけです。もちろん、将来受ける老齢厚生年金(報酬比例部分)については標準報酬月額65万円で計算されることになります。

国は「見えない増税」を断行継続中!

さて、社会保険料の引き上げについてはこれまで次のような段階的引き上げがなされてきたのにも関わらず、「増税」ほど世間の関心を引きません。報酬(給与)として、もらった「後」のお金が減るか。もらう「前」のお金が減るか。本質的には消費税増税と同じなのに、です。

過去の社会保険料推移
※健康保険・介護保険・厚生年金は東京都協会けんぽ保険料率
年度 健康保険 介護保険 厚生年金 労使合計
2008年 8.200% 1.130% 15.350% 24.680%
2010年 9.320% 1.500% 16.058% 26.878%
2012年 9.970% 1.550% 16.766% 28.286%
2014年 9.970% 1.690% 17.474% 29.134%
2016年 9.960% 1.580% 18.182% 29.722%
2018年 9.900% 1.570% 18.300% 29.770%
2019年 9.900% 1.730% 18.300% 29.930%

上記では「健康保険」と「介護保険」は平成26年以降下がっているように見えます。しかし、その背景には平成28年4月からの「健康保険」と「介護保険」の報酬月額上限が引き上げがあります。報酬月額123.5万円以上は保険料が軒並みアップしており、最大で労使合計247,752円(年)もの負担増になっているのです。

~ 2016年3月 2016年4月 ~
47等級 月額117.5万円以上(上限) 47等級 月額117.5万円〜123.5万円未満
48等級 月額123.5 万円〜129.5万円未満
49等級 月額129.5万円〜135.5万円未満
50等級 月額135.5万円以上(上限)

社会保険料の引き上げがさほど関心を集めない理由は大きく2つ。ひとつは社会保険料の引き上げに国会の議決は「不要」である点。ひとつは社会保険料は天引きされており、「気づけば保険料が上がっていた」という事態になっている点です。このことを逆手にとって国はジリジリと確実にその負担割合が引き上げ続けています。つまり、ここ数十年にわたって国は「見えない増税」を断行継続中だということです。

まとめ

コロナショックで売上低迷している中小企業が多い中、そこに追い打ちをかけるように2020年9月(令和2年9月)分から厚生年金保険料がアップします。おそらく多くの社長は今回の厚生年金保険料の改正について知らないでしょう。ぜひあなたから社長に情報提供してあげてください。

今この非常事態にあって、たいていの中小企業・小規模事業者は「保険の話どころじゃない」という状況でしょう。しかし、あなたは保険営業マンです。どのような状況にあっても、保険を売るのが仕事です。こんな状況だから保険が売れなくても仕方ない。そう諦めるか。

それとも、こんな状況でも社長に貢献できる提案がある。そう切り替えて、ピンチをチャンスに変えていくか。今まさに重要なターニングポイントを迎えています。そこで本題です。

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