人には自己防衛本能があります。それゆえ、人は営業マンにセールスをされているとき、無意識のうちに「何も売り込まれるまい!」と警戒します。例えば、ネクタイを買いにデパートの紳士服売り場に来たけど、すぐに店員がやって来て、「ネクタイをお探しですか?」「どんなネクタイをお探しですか?」と矢継ぎ早に声を掛けられた。こういうとき、居心地が悪くなったり、身構えたりしますよね。
これは理屈ではありません。人の本能です。ゆえに、ひと度こうした本能が芽生えてしまうと、その後いくらこちらが熱心にセールスしても、相手には「話半分に聞いておこう…」というバイアスがかかってしまいます。
それが「保険」のような高額商品ならなおのこと。当然、見込客のバイアスを取っ払わない限り、保険を成約させることはできません。どれだけ素晴らしい提案だとしても、です。
ところが、です。そうした営業スキルやテクニックなしで、見込客に何の警戒心も抱かせず、いとも簡単にセールスできる営業方法があるのです。それが、「セミナー営業」です。
通常のセールスではあなたと見込客は「1対1」の関係です。一方、セミナー営業ではあなたと見込客は「1対多」の関係です。セミナー営業では複数人であなたの話を聞いています。そのことで見込客は「自分だけに話しているわけではない」と考えて、「何も売り込まれるまい!」と警戒する必要がなくなります。つまり、セミナー営業では見込客のバイアスを外した状態で、あなたが伝えたいことを伝えられるのです。
テレビショッピングを思い出してください。あの売り込みトークを「1対1」の目の前でやられたら、たまったもんじゃありませんよね。ところが、テレビを見ている分には「売り込まれている!」なんて誰も思わないでしょう。むしろ、ずっと見ていると思わず買いたくなってしまうことが多々あります。
これと同じことがセミナー営業に当てはまります。つまり、同じことを見込客に伝えるにしても、「1対1」のセールスでは【売り込み】と警戒されてしまうが、それが「1対多」になると、【情報提供】となって、あなたの伝えたいことを見込客にすんなり受け入れてもらいやすくなるのです。
保険営業マンでいる以上、「新規開拓」と「セールス」に関する悩みは尽きないといえます。その点において、セミナー営業はあなたの悩みを一挙に解決できる営業手法になります。なぜか。セミナー営業には大きく7つのメリットがあるからです。
- メリット#1 一度に複数の見込客を集めることができる
- メリット#2 見込客と信頼関係が簡単に構築できる
- メリット#3 参加者全員を“確度の高い見込客”にできる
- メリット#4 売り込まずにセールスできる
- メリット#5 同じセミナーを繰り返すだけで売上につながる
- メリット#6 セールスを「仕組み化」できる
- メリット#7 営業効率が飛躍する
メリット#1 一度に複数の見込客を集めることができる
セミナー営業ではおのずと複数の参加者を集めることになります。「保険営業マン」というポジションでは一度に複数の見込客を集めることはできません。しかし、「保険営業マン」(×)から「セミナー講師」(○)というポジションに変わると、一度に複数の見込客を集めることができるようになります。
メリット#2 見込客と信頼関係が簡単に構築できる
法人保険は社長との間に“信頼関係”が醸成されない限り成約できません。よく知らない保険営業マンから高額な保険に加入する社長は1人もいないからです。この点において、セミナー営業は社長との間の“信頼関係”を一気に構築できます。セミナー営業では、あなたと社長とは【売る・売られる】という関係性ではなく、【教える・教えられる】という、「先生と生徒」の関係性になるからです。
メリット#3 参加者全員を“確度の高い見込客”にできる
セミナー営業はセミナー自体が「ニード喚起」のプロセスです。参加者は特定の悩みを持っていて、その悩みを解決したい社長たちです。そこで、セミナーではその解決方法を社長たちに教えてあげます。もちろん、それは「保険」を使った解決策です。その話を聞くうち社長たちは「この解決方法で自分の悩みも解決できるかも?」と期待を寄せるようになります。そうなればもう社長たちは“確度の高い見込客”です。
メリット#4 売り込まずにセールスできる
セミナー営業では売り込みのセールスは不要です。応酬話法も、説得のスキルも必要ありません。セミナーであなたが伝えるべきことはすべて伝えています。従って、あなたのやることはセミナー終了後に「この方法で悩みを解決したいですか?」と社長たちに聞くだけ。それでセールスが完結してしまうのです。
メリット#5 同じセミナーを繰り返すだけで売上につながる
ひと度、セミナーのコンテンツが完成したら、後は参加者を変えて同じセミナーを繰り返すだけ。それで売上が上がるようになります。回数を重ねるうちセミナーの練度も上がっていきますから、それに比例して成約率も向上していきます。また、そこから水平展開して売上を伸ばすことも可能です。社長の悩みは尽きません。今度は別のテーマでセミナーを企画して、同じ要領でセミナー営業を実践すればいいからです。
メリット#6 セールスを「仕組み化」できる
セミナー営業はそれ自体がベルトコンベヤー方式で見込客を成約させる「仕組み」です。実行ステップも、やるべきことも決まっているからです。「1対1」の保険セールスは常に「オーダーメイド」の対応を求められます。そのときそのときで、セールスの相手が変わるからです。一方、セミナー営業は「レディメイド」の対応でOKといえます。参加者によってセールスの内容が変わることがない【再現性が高い営業手法】だからです。従って、セミナー営業に取り組むようになると、安定的に成果を出せるようになります。
メリット#7 営業効率が飛躍する
セミナー営業に取り組むと、営業効率が飛躍します。セミナー営業なら一度に複数の見込客を相手にセールスできるからです。「1対1」の保険セールスでは毎日1人の見込客にセールスできたとしても、1ヶ月にセールスできるのは30名がMAXです。一方、セミナー営業では1回のセミナーで30名を相手にすることもできます。この点だけ見ても、いかにセミナー営業が効率的な営業手法かお分かりでしょう。
セミナー営業の副次メリット
セミナー営業には他にも副次メリットがあります。それは、セミナーを開催しているというだけで、社長から“一目置かれる存在”になるということです。なぜなら、「セミナーを開催している人=専門家」と“思ってもらえる”からです。法人保険のような高額商品ではこの“思ってもらえる”というのがとても重要です。
たまに保険営業マンの次のような悩みを耳にします。ではこのような悩みを解決するにはどうすればいいか。ズバリ、あなたの「登場の仕方」を変えることです。
保険営業マンの社会的地位が低くてストレスです…
営業していると、保険営業の社会低地位の低さとバッティングする銀行・士業に対する顧客の信頼度の高さを痛感させられることが多々あります。保険代理店としてのブランド力をアップする必要性と「どうすればそうできるか?」について悩んでいます…
そもそもなぜ保険営業マンが“社会的地位が低い”と感じてしまうのか。そうなってしまう原因は【保険営業マン=しつこい売り込み】というイメージが世間で定着しているからです。
保険営業マンの中には士業と比べても知識や実務経験において決して引けを取らない方が大勢います。ところが、そういう方でも「保険営業マン」というだけで社長の中ではどうも軽く見られてしまう。そんな悔しい経験をされている方も大勢いることでしょう。
社長から一目置かれる存在になる
実際のところ、あなたには専門知識があるのかもしれません。しかし、社長はあなたにその専門知識があることを知らないし、知る術がありません。そうかといって「私は専門家です」と自画自賛したところで、社長からは興味なさげに「へぇ~」と流されるのが関の山。それでは社長の評価は何も変わりません。
ところが、です。あなたが“セミナーを開催している”ことを社長が知ると状況が変わります。「セミナーできるぐらいの専門性を持っている」と社長から一目置かれるようになるからです。つまり、社長に対してあなたを“権威付け”できるわけです。これがセミナー営業の副次メリットです。
まとめ
以上がセミナー営業の7つのメリットと副次メリットです。これらのメリットがあるがゆえ、セミナー営業に取り組むと「新規開拓」と「セールス」の悩みを同時に解消できるわけです。とりわけ、副次メリット(社長から「専門家」と思ってもらえる)は日頃のあなたの営業活動にも大きく影響するはずです。
法人保険となれば年間で百万単位、場合によっては千万単位の高額商品です。誰が社長でも単なる「保険営業マン」ではなく、「専門家」から加入したいと考えます。セミナー営業に取り組むだけで、社長はあなたを「専門家」と見なすでしょう。このことがあなたの日頃の営業活動にどれだけプラスに作用するか容易に想像できるのではないでしょうか!