制度の“歪み”の見つけ方
ご存知のとおり、日本では法律の制定は国会(国会議員)で行われます。しかし、国会議員によって法案が起案されることはレアケースです。ほとんどの法案は役人(公務員)によって起案されているからです。従って、日本の法律はおのずと役人(公務員)の恣意性を大きく孕むものになっているといえます。このような状況下では当然、彼らにとって不利に働くような法案は提出されないと考えるのが普通でしょう。
ここに、制度の“歪み”が存在します。そして、その“歪み”に着目することが社長の可処分所得を増やすヒントにつながります。具体的に着目すべきは役人(公務員)の福利厚生などを含んだ諸規定です。これが役人(公務員)の既得権益の温床になって制度上の“歪み”を生み出しているケースが多々あるからです。
公務員がメリットを享受する優遇制度(例)
例えば、公務員宿舎です。よくニュースでも問題視されていますが、公務員は民間ではありえない低廉な家賃で同等の立地と間取りの宿舎に住むことができます。ちなみに、公務員宿舎を作ったのも公務員なら、そこに安く住めるのを福利厚生制度として定めたのも公務員といえます。
財務省によると、令和元年9月1日時点の国家公務員宿舎は全国に162,201戸あるとされています。以下は国家公務員の南青山宿舎の外観写真です。間取りは3LDK。都心の一等地「南青山」です。家賃は3LDKなら最低50万円以上はします。それが南青山宿舎なら家賃は月7.5万円程度といわれています。
では、何を根拠にこのように優遇されるのか?
これは「公務員宿舎に関する規定」によるものです。(民間でいえば「社宅規程」」がこれに相当します)この規定があるゆえ、公務員はほんのわずかな自己負担額で住居費を賄うことができるわけです。逆の見方をすれば、安く済んだ住居費の差額分は「税金」も「社会保険料」もかからない“非課税手当”と同じ役目を果たします。つまり、それだけ彼らの可処分所得を増やすことに寄与しているわけです。
まだあります。公務員には「旅費規程」があります。よって、彼らには出張の都度、「手当」や「日当」が支給されます。ここで重要なのは“この「手当」や「日当」には「税金」も「社会保険」もかからない”ということです。つまり、ここでもまた「手当」や「日当」が“非課税手当”になるわけです。
まだまだあります。給与所得控除の縮小で個人課税は強化される一方ですが、実は未だ手つかずの“聖域”があります。それが「退職金税制」です。これなんか、官僚の「天下り」や「渡り」と密接に関係していると言われていますよね。「退職金税制」には多額の控除枠があるのに加えて1/2課税+分離課税という素敵なオマケまで付いています。すなわち、「天下り」や「渡り」で退職すればその恩典が手に入るわけです。
ちなみに、次のとおり、平成25年1月以降、在任5年以上でないと1/2課税が適用されないという「縛り」が税制改正で新設されました。しかし、それで「天下り」や「渡り」が根絶されたのかというと、決してそうはなっていないはずです。結局、改正前も改正後も「天下り」や「渡り」で未だに「退職金税制」のメリットがそこかしこで享受されていることでしょう。
特定役員の退職金課税
役員等勤続年数が5年以下である人が支払いを受ける退職金のうち、その役員等勤続年数に対応する退職金として支払を受けるものについては、平成25年分以後は退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額が退職所得の金額になります。(上記計算式の1/2計算の適用はありません)「役員等勤務年数」は、役員等勤続期間(退職手当等に係る勤続期間のうち、役員等として勤務した期間)の年数(1年未満の端数がある場合はその端数を1年に切り上げたもの)をいいます。
「役員等」とは次のイ~ハに掲げる人をいいます。
- イ 法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している一定の者
- ロ 国会議員及び地方公共団体の議会の議員
- ハ 国家公務員及び地方公務員
… などなど。要するに、です。このように役人(公務員)の福利厚生などを含んだ諸規定に着目することで、中小企業の社長でも合法的に可処分所得を増やせるヒントがあるのです。
この記事のまとめ
まずは以下の(A)と(B)をご覧ください。保険営業マンには大きく2つのタイプがいます。もちろん、社長が取り引きしたいのは(B)です。そんなことはあなたも百も承知でしょう。だから保険営業マンなら誰だって社長にとって(B)の存在になりたいと考えるはずです。
- (A)「保険」を売りたいだけの単なる営業マン
- (B)「問題」解決してくれる頼りになるアドバイザー
でも、どうすれば保険営業マンが社長にとって(B)の存在になれるのか。例えば、です。もしもあなたのおかげで今の社長の可処分所得が“数百万円”アップしたとしたら、社長はあなたのことをどう思うでしょうか。当然、その社長はあなたを(B)と思ってくれるでしょう。今回ご紹介した内容は保険営業マンを“社長にとって頼りになるアドバイザー”にできる知識情報です。ぜひ参考にしてください。